新元素「ニホニウム」が話題になっていますね。

実はこのニホニウム、元々は違う名前だったのをご存知ですか?

なぜ「ニホニウム」になったのか、その由来を紹介したいと思います。

実はそこには色々な裏側があることが分かりました。

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ニホニウムの名前の由来は?決まりがある!?

「ニホニウム」は元々「ウンウントリウム」という仮の名前がありました。

意味は「113番目」です。
要するに113番目の元素なのでウンウントリウム
というわけです。

今回、この仮名「ウンウントリウム」に正式な名称をつける権利を
日本の理化学研究所のチームを獲得しました。

末尾に「ニウム」をつけることは国際規則で決まっているので、
その前の名前をどうするか、ということになります。

一時期は「ジャボニウム」という名前も候補にあったわけですが、
より日本語らしい名前にしたい
ということから、「ニホニウム」という名前にすることとなりました。

「ニッポニウム」ではなく「ニホニウム」の理由 幻の名称!?

113番目の元素に日本語らしい名前を付けたということですが、
そもそも海外での日本の呼び方は「Japan」か「Nippon」ですよね。

となると「ニッポニウム」という呼び方のほうが一般的なようにも見えるのですが、
なぜ「ニホニウム」なのでしょうか?

実は「ニッポニウム」という名前は使えない名前なのです。

といっても規則に抵触する表現がある、というわけではありません。
過去に「ニッポニウム」という名前で命名された元素が存在するからなのです。

実は1908年に日本の研究者の小川正孝氏が43番目の元素を発見し、
その元素に「ニッポニウム」(Np)と命名しました。

といっても現在の周期表(元素の一覧表)を見ても「ニッポニウム」という言葉はありません。
Npという元素記号はあるものの名称は「ネプツニウム」となっています。

※もちろん、ネプツニウムはニッポニウムではありません。

それは小川氏が発見した元素が実は43番目の元素ではなかったからなのです。

当時は今ほど測量が正確ではなかったため詳細は定かではありませんが、後の研究で
小川氏が発見したのは75番目のレニウムだったのではないか
と言われています。

※現在では人工的に合成されたテクネチウムが43番目の元素となっています。

結局、「ニッポニウム」という名前は取り消しはされたものの命名に使われた名前なので
二度と使うことはできないわけです。

100年前に幻となった「ニッポニウム」。
「ニホニウム」の発見ははそんな100年前の出来事のリベンジということになるでしょうか。
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命名権利の裏側 実は第1発見者ではない!?

実は「ニホニウム」を始めて発見したのは日本の研究チームではありません。

最初に見つけたのはロシアのドゥブナ合同原子核研究所と
アメリカのローレンス・リバモア国立研究所による合同研究チームなんですよね。

しかし、今回の「113番目の元素」の命名権を得たのは理化学研究所チームとなったのです。

これは一体どういうことなのでしょうか?

これにはもちろん理由があります。
実は「ニホニウム」は自然には存在しません。
人工で作った元素なんですよね。

人工で元素なんて作れるの?
という疑問がわきますよね。

結論から言えば作れます。
※といってもご家庭で気軽に、というわけにはいきませんが…。

ただし、非常に不安定な物質ですのですぐになくなってしまいます。
具体的には複数の物質(元素)を組み合わせて作るわけですが
それが元の物質に戻ってしまう、と考えれば
イメージしやすいのではないでしょうか。

話を戻すと日本の研究者の方が権利を獲得したのは
一番安定している「ウンウントリウム」を作れたから、
というわけです。

実は2003年の8月にロシアとアメリカの合同研究チームはアメリシウムとカルシウムから
初めて113番目の元素を作ることに成功しました。

しかし、0.48秒ほどで崩壊してしまったため、命名権を獲得することができませんでした。

遅れること、1年後に理化学研究所が
今度は亜鉛とビスマスから113番目の元素の合成に成功します。
といってもこちらも一瞬で崩壊してしまいます。

その後、ロシア&アメリカ対日本の競争が続き、
最終的には理化学研究所がもっとも安定した「ウンウントリウム」を合成できた
というわけです。

最初に見つけた人が名前をつけられるわけではない、
というのはちょっと独特な感じはありますよね。

しかも、現在未発見の新元素も
理論上はすべて存在する
とのこと。

であれば、それをより確実にしたほうが権利がある
というのは納得ですよね。

以上、「ニホニウム」の名前の由来の裏側でした。